犬山×こども×大人×てつがく×対話


by 犬てつ
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前回の犬てつをやってみて、
そろそろこどもと大人一緒の対話がやれるんじゃないかという感触ができたので、
今回はこどもと大人合同での対話にチャレンジしました!
 
こどもはみんな一度は参加したことのあるリピーター。
大人は大学生さんや、哲学横丁つながりで来ていただいたさんぽてつがくさんなど、
新しい方もいらっしゃいます。
 
進行役は安本志帆さん
テーマは「家族」
 
対話に入る前にアイスブレイクとして、
大人と子どもの混合チームに分かれて、ペットボトルの蓋の積み上げ合戦!
どのチームが一番高く蓋を積み上げられるか競争です。
土台を広くしたり、裏表を重ねて安定させてみたり、
チームのなかでアイディアを出し合います。
大人もこどもも真剣(意地?)になって、積み積みしているうちに、
気持ちもほぐれてきた感じです。 
 
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その流れに乗りながら、15人ほどが車座になり、
大人と子どもの対話がはじまります。 
 
「かぞく」のイメージってどんなもの?
「かぞく」でどんなものをイメージしてますか? 
 
志帆さんの問いに、最初にでてきた答えが
「大切なもの!」 

さすがの子どもの本質的な意見に、
大人からは、ホーっと声が漏れます。
 
次いで、お父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃん、子ども、きょうだい、、、という形で、家族だと思える関係が挙がります。
おばちゃんと言う声に、それって家族になってる??というツッコミも。

他に出てきたイメージは、
・家
・家に住んでる一族
・くらし
・サザエさん 
(でも、サザエさんの家族ってややこしい!子どもの子どもとかいるし。ペットもいる!)
・ちびまる子ちゃんの家族もサザエさんとこよりは人数が少ないけど昭和な感じ
・家がなくても結婚してたら家族(結婚してたら一緒に住んでなくても家族) 
 東京と大阪に別れて住んでても家族
・ドラエモンってのび太と家族なんだろうか? 

ドラエモンとのび太の関係の問いをきっかけに、
みんなで問いを出しあいます。 

・子どもが生まれないお父さんお母さんが、別の人から子どもをもらって子どもにしたときは家族?(血のつながりがない人同士はかぞくになれる?)
・結婚する前にも家族はいたけど、結婚して子どもが生まれると新しい家族ができるの?→でっかい家族
・血のつながりがあれば家族か?(ちょっとダークな話題かもしれないけど、、、)
・血のつながりってみんなあるはずなのに、今見えている家族は何か?(だって、最初は海にいた生物で、そこから派生して人間になったんじゃない?だからみんな血のつながりはあるんじゃない?人類は元は一つ)
・家族はどうしてみんな一緒にどこかに行くの?(遊園地とか) 

いくつか問いがでてきたなかで、このなかから問いを一つに絞ります。
どうやって決めるかという段になって、
子どもたちからまた「あみだくじ!」の案がでて、
あみだくじで決まった問いがコレ。 
 
Q ドラエモンはのび太と家族なんだろうか? 
 
  
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まず出てきた話は、
―ドラエモンはのび太くんと友達だよ。
そこから話が広がります。

―友達は家族になれないのかな?
―一緒におやつ食べたり、ご飯たべたりしてるから、友達よりも家族に見える。 

Q 家族に見えるか見えないかの違いって何?
―ロボットだから

Q 家族と家族っぽいの違いは何だろう?
―家族は本当の家族で、家族っぽいのはそうでない人 

Q ドラミちゃんはドラエモンの家族なの???
―製造元が一緒なだけ???
―ドラミちゃんとドラエモンはとても家族に見える(のび太とドラエモンよりも) 

Q ドラエモンとのび太と、ドラエモンとドラミはどっちが家族っぽく見える?
―あの二人の特別感は家族に見える。似てるし。
―でも、血のつながり、、はないよね、、、。
―未来の世界で一緒にいた期間が長い。
―ドラエモンに似たロボットが、ずらっとベルトコンベアに並んでいるところを見たことがある。それが全部家族だとは思えない。
―同じ人から作られたから兄弟なんじゃないか。
―ドラエモンとのび太は似ているところがある。どじで怖がり。家族で似ている。
―他人に見られて「家族」と言われて「家族」になるんじゃないか。
―ドラエモンたちはお母さんがそもそもいないから、家族は住んでいるところで変わる。(ロボットは一緒に住んでいる人と家族になる。) 

どうやら家族っぽく見えるには「期間」が重要という話になります。
Q 家族はどれだけ一緒にいたかということで決まる?
―一緒にいろんな人と住んだことはあるけど、家族とは違った。大人は一緒に住んでも友達は友達同士のまま。家族になろうと思わなければ家族にはならない。
―魚はいっぱい子どもを産むけど、全部が家族とはあんまり思えない。数が多すぎると家族にはなりにくい?
―子どもの頃は、家族は自分で決められるものだとは考えたこともなかったけど、結婚するときに、はじめて家族は自分で作れるものだと思った。
―新しく生まれた赤ちゃんは家族だと思えるまでに時間がかかる。期間って重要かな?

Q 期間が長ければ、他人でも家族と思える?
―小さいころは妹を家族だと思ってたけど、大きくなっていろいろ話ができるようになると、友達のように思うようになった。期間が長くなるほど友達に思えるようになった。 

Q 期間でもなさそうだとすると、家族ってどうやって決まるんだろう?
―気持ち
―制度だと、気持ちが離れると家族じゃなくなる。離婚制度がある。 

いろんな家族のイメージがでてきたところで、
場の意識が集中しはじめ、これまでの意見をもとに、
みんなの考えるスイッチが入ったという感覚が伝わってきます。 
 
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そこで一人の子どもからでてきたアイディアは、 

―ドラエモンとドラミは「いとこ」なんじゃない?? 

予想外のポイントに思わず笑いの声も漏れますが、
意外と距離感はいい具合かも。

Q いとこってどんな感じ?
―家族と友達が混ざった感じ。 

いとこという新たな関係軸がでてきたことで、
場の流れがまた少し違う方向に向かいます。 

―家族の線引きは自分で決めている。
―いなくなったときに悲しいと思えるのが家族。(遠い親戚はあんまり悲しくない)―結婚したときに、相手の家族も家族になるけど、弟の新しい家族は自分にとっての家族とはあまり思えない。家族にもグラデーションがある。
―みんな元は家族といえるかもしれないけど、気持ちが薄くなったら、友達くらいの関係になったりする。
―会ったこともないような遠い親戚は家族じゃない。そこでまた一つの提案があがります。
―家族は一つじゃなくて、いろんなジャンルがある。
 ○○の家族とか、ラベリングすればいいかも。たとえば血のつながった家族と、そうでない家族。

―特別養子縁組とかで、血のつながりのない子どもを子どもにした場合、その子どもには産んだ親と、新しい親と二つの家族があるはず。
―産んだ方が本当の家族。血のつながりがあるから。
―何歳かが重要。赤ちゃんのときに養子になったら、新しい家族が本当の家族になる。産んだ親は親戚くらいになる。
―新しい家族は家族になろうと思ってその子をもらって、産んだ親は家族になれなかったから手放したんじゃないか? 

Q 新しいお父さんお母さんは家族なの?
―「ある意味」お父さんとお母さん
―短い期間だと家族だとは思えない
―家族は努力しないとなれないんじゃないか? 
血がつながっているだけで家族だと思いこんでいる人もいるけど、本当は家族は努力して作るものじゃないか? 

ここでもまた「期間」の話がでてきます。
家族にとって「期間」は重要?
そして「作る」「努力」が必要なもの?

Q 家族は作るもの?
―それか、作られてるもの 

Q 家族は所属しないといけないもの?
―家族がいない人もいる
―家族は作ったり、作られたり、いなくなったりする
―反抗期のときに家族がわずらわしくなったけど、大きくなると家族は一番頼れる関係にある
―外から見て家族だと判断されるものと、自分がどうとらえているか(決めているか)は違う。家族だからといって、ずっと守られるものではない。家族は外から決められたものと思ってたけど、自分で決められるものでもある。
―心が離れなかったら家族 

さっきから話がぐるぐる回っているよね。という言葉も出てきて、、、
そろそろ終わりの時間も迫ってきました。
 
最後に、ドラエモンはのび太と家族かどうか、
もう一度みんなの意見を聞きます。

―ドラエモンとのび太は友達
―自分が家族だと思えば家族
―ロボットだから家族といえない人もいれば、いえる人もいる
―ロボットだから家族にはなれない
―自分たちで家族だと思えば、ロボットも家族になれる
―ドラエモンと一緒に住んだら、自分は家族だと思えるけど、ドラエモンにそう思ってもらえるかどうか自信がない
―ドラエモンはのび太を家族だと思ってる。行動をみてるとわかる
―けんかもするし、一緒に遊んだりしてるから、家族、、かもしれない
―両方が家族だと思ったら家族。片方が家族だと思っていても家族にはなれない
―のび太のお母さんとドラエモンは家族なんだろうか?のび太とドラエモンが家族だと、ドラエモンとお母さんは家族になるのかな?
―昔は飼ってた犬と自分は家族だと思ってた
―のび太のお母さんはドラエモンを叱ったりもしてるので、家族だと思ってる気がする
―ドラエモンはぬいぐるみみたいなもの
―ドラエモンは人形みたいだけど、自分で考えられるから、のび太と・・・かもしれない。
―仲がいいし、助けてもらっているから、のび太とドラエモンは家族。
―のび太たちは家族としてずっとそこにいたけど、ドラエモンはそこに未来から来た人だから、ドラエモンの気持ちは別かもしれない
―ドラエモンはもともと家族がいないから、誰とでも家族になれる
 
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最後は今までにないくらいいろんな意見が出てきて、
みんな一人一人がそれぞれの家族についての考えを
対話のなかでふくらませていったことがわかります。

それまでまったく発言したことのなかった2回目のリピーターの子どもが、
どうしても気持ちを伝えたくなって手を挙げて
ドラエモンとのび太は友達だと言ったり、
「家族」という言葉がつかえなくなって「・・・」かもしれないと、
名指さないことを選んだり、
いつもは発言するけど気持ちがのらずに参加できなかった子どもが、
最後に血のつながりとはまったく違った基準で家族を語ったり、
一番発言して場をひっぱってくれていた子どもが、
最後にドラエモンは誰とでも家族となれると言い切ったり、
それぞれが自分なりの考えを胸にもち、
発言しないではいられないような、
そんな対話になったように思います。

子どもと大人で一緒に話ができるかな?とやってみた回でしたが、
結果としてはほとんど問題なく対話ができたように思います。
でも、じゃあ、これで毎回子どもと大人の合同対話でやっていこうかとなると、
う~ん、毎回でなくてもいいかな、たまにこういう回があるのでいいかな、
というのが私と志帆さんの感想。

・今回は6年生の子どもが対話をぐんぐん引っ張ってくれた(子どもが発言できるかできないかは、参加メンバーに結構左右されそう)
・「家族」のテーマがそれぞれの実感をもって語れるテーマでよかった
・大人と一緒に話せることでいつもより頑張った子どももいる一方で、親の顔色をうかがうような子どももいた。
・子どもにたくさん話をさせよう、考えさせようと、大人が発言をセーブすることがあった。

子どもと大人が普通に対話するのをやりたい!!!と思ってはじめた犬てつですが、
自分でも意外なことに、もうしばらくは子どもと大人が別々をベースにするのでいいかな、と思いました。というよりは、別々には別々の良さもあるし、合同には合同の良さもあるということに気がつきました。子どもによっても、別々の方が話が出来る子もいれば、合同の方がはりきる子もいる。大人にとっても、別々の方が話しやすかったり、合同の方がよかったりする。
こうと決めずに、いろんなやり方があるのがいいかな。

ということで、次回犬てつは夏休み特別企画ということで、
子どもサポートクラブ東海さんの「夏休みこどもカルチャー」で出前講座を開きます。

これまでの犬てつの活動ではやったことのない、
屋外にでて散歩しながらひらめきポイントを探したり、
絵をみて話しあったり、
自分なりの問いのカードを作ってみたり、
いろんなアクティビティを取り入れてみる予定です!

詳しくはイベントページをご覧くださいね。
8月18日 犬てつ出前講座「考えるを楽しもう」@南部公民館

 
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# by inutetsu | 2018-07-14 12:00 | 犬てつ 子どもと大人のてつがく対話 | Comments(0)