犬山おやこてつがく(5)「お金」
2017年 11月 26日
11月26日(日)犬てつ 第5回目 開催しました♪
進行役は、安本志帆さんと三浦隆宏さん。
参加者ははじめての方が一組、ほかはすべてリピーターとなりました。
前回と同じく、大人と子どもの合同と別々とを組み合わせた三部構成をとります。
1)自己紹介も兼ねた合同タイム
2)共通テーマ「お金」についての大人、子ども別々タイム
3)出てきた意見を共有する合同タイム
1)合同タイムで出された問いは、「一番行きたい場所はどこ?」。イラク、波照間島、淡水魚館アクアトト、行ったことがないからディズニーランド、考えたことがないから特にない、などいろいろな意見がでます。なかなか声が出せない子も、順番を最後に回してもらうなかで気持ちの整理がついて、「ありません」の一言が言えたりなど、時間に限りはありますが、急かさず待つ時間をとるなかで、子どもたちにみんなの前で声を出すきっかけを作ったり、自分の言葉が聴かれているということ、人の話を待つということや、困っている友達にどう声をかけたらいいか、などなどいろいろと感じる場になっているのではないでしょうか。
*****
2)の別々タイムでは、今回のテーマは「お金」です。
前回、前々回は、「けんか」「勉強」と、子どもにとっても大人にとっても身近で切実なテーマを考えてみましたが、今回はもう少し距離がおけるけど身近なテーマということで「お金」にしてみました。
子どもの方はお小遣いをもらいはじめたばかりだったり、まだもらっていなかったりとまちまちですが、まだあまり金銭感覚が身についていない状態です。
いつもは大人と子どもで別々に話していても、蓋をあけてみると同じような問いになっていたことが重なりましたが、今回は大人と子どもで話の内容はかなり違いました。大人の方は「問い」を一つに絞ることもできず、気になっていることや、自身の経験を話す形になったのに対し、子どもの方が根源的な、哲学的な問いへと踏み込んでいったようです。
大人のなかで挙がった話はこんな感じ。
・お金は人間関係をややこしくする
・子どもにお年玉やお小遣いをどれくらいまであげたらいいだろう
・大人になる上での金銭感覚をどうやって子どもに身につけてもらえばいいか
・お金のかかる習い事を子どもにさせる親としてのためらい
・子どもに家計のことをどこまでオープンにした方がいいのかどうか
・大人同士でも性とお金の話はタブーになっている
*****
3)の合同タイムでは、発表に大きな変化がありました。
いつもは恥ずかしがって志帆さん任せになっていた発表が、今日は子どもたちが自分でやる!とのことで、女の子二人が声をそろえて一緒に黒板に書かれている内容を読み上げて発表します。
黒板に書かれている内容を読み終わった後、終わり方をどうすればよいか少し考える間があって、
「これが子どもたちの発表です」
と、自分たちで締めくくり方を考えて発表を終えることができました!回を重ねるなかで、子どもの変化を目の当たりにできるのは、とても嬉しい!
子どもの方の内容をまとめてみると、
最初に「お金」にまつわる問いをそれぞれに挙げ、多数決で「誰が最初にお金を作ったか」の問いに決まったとのこと。その問いに対して、はじめは「誰?」という具体的な人を探していたけれど、最初のお金は「貝」という話がでてきたところから、貝じゃなくて石、という話もでて、「そもそもお金ははじめからあったのか?」という問いに変化していったようです。
それをさらに発展させた、「どうしてお金がなくてもよかったのか」、という問いに対しては、犬山っ子っぽい発言として、「畑」をやって「山」に行けば食料があるから死なないという話がでて、でも「苗」は買わないといけないという、、自然に囲まれて暮らしている子どもたちならではの発言があったようです。
そうしたなか、「物々交換でやってきた。」という意見がでて、「物々交換は、自分があげたいものと、相手が欲しいものがマッチングしないとうまくいかない。その間に食料もなくなっていくし、、、」というところから、それなら「お金」があるといいんじゃないという気づきに発展していった模様。
最後に、「たくさんお金があったら退屈だ」という意見に賛同する子どもがたくさんいて、理由をきくと、「お金がありすぎたら、何でもお金でやっちゃって、自分で何かをやる楽しみがなくなるから」という話もでたようでした。
いろんなものがお金を出せば簡単に手に入る世の中だけど、時間をかけて一緒に手作りする楽しみを、子どもたちはきちんとわかっているんですね。
******
半年間犬てつを続けてきて、リピーターの子どもたちは、だいぶ場馴れしてきたようです。ピリピリした緊張感がなくなってきて、その分ふざけたりといったこともあるようですが、みんなと話し、問いが深まっていくのが楽しい、という体験が積み重なることが一番。似たもの同士の集まりよりも、違う人がいればいるだけ面白い話がきけるというのも、なかなか他では味わえない醍醐味です。
******
さあ、次回はいよいよ今年度最終回です。
場所はいつもと変わって犬山城下町にある「余遊亭」。
午前中の「犬てつ」の後、わいわいと話のできるお茶会も予定しています。
午前はすでに満席ですが、午後からのお茶会は、気軽にお越しいただいてお話できる会になっておりますので、ご興味のある方、ぜひぜひお越しください。
~お茶会~
時間:12時~15時頃
場所:犬山まちづくり拠点施設「余遊亭」 1階和室
(愛知県犬山市大字犬山字東古券363−3)
https://naviaichi.com/0568-61-6660/
駐車場あり
出入り自由ですので、お好きな時間にお越しください。人数を把握したい関係で、いらっしゃれる方はよろしければFBメッセージか下記メールにご連絡ください。
Inutetsu1@gmail.com (担当:ミナタニ)
進行役は、安本志帆さんと三浦隆宏さん。
参加者ははじめての方が一組、ほかはすべてリピーターとなりました。
前回と同じく、大人と子どもの合同と別々とを組み合わせた三部構成をとります。
1)自己紹介も兼ねた合同タイム
2)共通テーマ「お金」についての大人、子ども別々タイム
3)出てきた意見を共有する合同タイム
1)合同タイムで出された問いは、「一番行きたい場所はどこ?」。イラク、波照間島、淡水魚館アクアトト、行ったことがないからディズニーランド、考えたことがないから特にない、などいろいろな意見がでます。なかなか声が出せない子も、順番を最後に回してもらうなかで気持ちの整理がついて、「ありません」の一言が言えたりなど、時間に限りはありますが、急かさず待つ時間をとるなかで、子どもたちにみんなの前で声を出すきっかけを作ったり、自分の言葉が聴かれているということ、人の話を待つということや、困っている友達にどう声をかけたらいいか、などなどいろいろと感じる場になっているのではないでしょうか。
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2)の別々タイムでは、今回のテーマは「お金」です。
前回、前々回は、「けんか」「勉強」と、子どもにとっても大人にとっても身近で切実なテーマを考えてみましたが、今回はもう少し距離がおけるけど身近なテーマということで「お金」にしてみました。
子どもの方はお小遣いをもらいはじめたばかりだったり、まだもらっていなかったりとまちまちですが、まだあまり金銭感覚が身についていない状態です。
いつもは大人と子どもで別々に話していても、蓋をあけてみると同じような問いになっていたことが重なりましたが、今回は大人と子どもで話の内容はかなり違いました。大人の方は「問い」を一つに絞ることもできず、気になっていることや、自身の経験を話す形になったのに対し、子どもの方が根源的な、哲学的な問いへと踏み込んでいったようです。
大人のなかで挙がった話はこんな感じ。
・お金は人間関係をややこしくする
・子どもにお年玉やお小遣いをどれくらいまであげたらいいだろう
・大人になる上での金銭感覚をどうやって子どもに身につけてもらえばいいか
・お金のかかる習い事を子どもにさせる親としてのためらい
・子どもに家計のことをどこまでオープンにした方がいいのかどうか
・大人同士でも性とお金の話はタブーになっている
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3)の合同タイムでは、発表に大きな変化がありました。
いつもは恥ずかしがって志帆さん任せになっていた発表が、今日は子どもたちが自分でやる!とのことで、女の子二人が声をそろえて一緒に黒板に書かれている内容を読み上げて発表します。
黒板に書かれている内容を読み終わった後、終わり方をどうすればよいか少し考える間があって、
「これが子どもたちの発表です」
と、自分たちで締めくくり方を考えて発表を終えることができました!回を重ねるなかで、子どもの変化を目の当たりにできるのは、とても嬉しい!
子どもの方の内容をまとめてみると、
最初に「お金」にまつわる問いをそれぞれに挙げ、多数決で「誰が最初にお金を作ったか」の問いに決まったとのこと。その問いに対して、はじめは「誰?」という具体的な人を探していたけれど、最初のお金は「貝」という話がでてきたところから、貝じゃなくて石、という話もでて、「そもそもお金ははじめからあったのか?」という問いに変化していったようです。
それをさらに発展させた、「どうしてお金がなくてもよかったのか」、という問いに対しては、犬山っ子っぽい発言として、「畑」をやって「山」に行けば食料があるから死なないという話がでて、でも「苗」は買わないといけないという、、自然に囲まれて暮らしている子どもたちならではの発言があったようです。
そうしたなか、「物々交換でやってきた。」という意見がでて、「物々交換は、自分があげたいものと、相手が欲しいものがマッチングしないとうまくいかない。その間に食料もなくなっていくし、、、」というところから、それなら「お金」があるといいんじゃないという気づきに発展していった模様。
最後に、「たくさんお金があったら退屈だ」という意見に賛同する子どもがたくさんいて、理由をきくと、「お金がありすぎたら、何でもお金でやっちゃって、自分で何かをやる楽しみがなくなるから」という話もでたようでした。
いろんなものがお金を出せば簡単に手に入る世の中だけど、時間をかけて一緒に手作りする楽しみを、子どもたちはきちんとわかっているんですね。
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半年間犬てつを続けてきて、リピーターの子どもたちは、だいぶ場馴れしてきたようです。ピリピリした緊張感がなくなってきて、その分ふざけたりといったこともあるようですが、みんなと話し、問いが深まっていくのが楽しい、という体験が積み重なることが一番。似たもの同士の集まりよりも、違う人がいればいるだけ面白い話がきけるというのも、なかなか他では味わえない醍醐味です。
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さあ、次回はいよいよ今年度最終回です。
場所はいつもと変わって犬山城下町にある「余遊亭」。
午前中の「犬てつ」の後、わいわいと話のできるお茶会も予定しています。
午前はすでに満席ですが、午後からのお茶会は、気軽にお越しいただいてお話できる会になっておりますので、ご興味のある方、ぜひぜひお越しください。
~お茶会~
時間:12時~15時頃
場所:犬山まちづくり拠点施設「余遊亭」 1階和室
(愛知県犬山市大字犬山字東古券363−3)
https://naviaichi.com/0568-61-6660/
駐車場あり
出入り自由ですので、お好きな時間にお越しください。人数を把握したい関係で、いらっしゃれる方はよろしければFBメッセージか下記メールにご連絡ください。
Inutetsu1@gmail.com (担当:ミナタニ)
by inutetsu
| 2017-11-26 23:53
| 子どもと大人のてつがく対話