人気ブログランキング | 話題のタグを見る

犬山×こども×大人×てつがく×対話


by 犬てつ

こども哲学 実践WS(2)「進行役とはどんな役なのか」

6月12日(火)「こども哲学 大人のための実践ワークショップ(2)」 開催しました♪

Vol.2 「進行役とはどんな役なのか」
講師・進行 安本志帆さん
参加者 9名
 
こども哲学 実践WS(2)「進行役とはどんな役なのか」_e0382901_13132279.jpg
 
今回は、さらに参加者が増えて、
名古屋で親子てつがく対話の場をはじめられた方、
女性向けの哲学カフェをはじめられる方など、
新しい方に来ていただけました。

去年に犬てつをはじめたばかりの頃から比べると、
東海地方における哲学対話の輪は確実に広がってきていて、
犬てつもそうした活動の一つのプラットフォームになってきている予感。

ワークショップ第2回目は、
前回のおさらいをざっくりしてから、早速対話に入ります。
今回は進行役を参加者から募り、はじめての方が挑戦してみることに。
対話のテーマは、
「今が夢か現実かわかるにはどうすればいいの?」

最初に口火を切って出た話は、
「現実はつねると痛いとよく言われるけど、寝てる時はホントに痛くないの?」
これが気になって仕方がないという素直な本音に、場があっという間にほぐれます。
そこから、いろいろな体験談が繰り広げられます。

・夢でも現実と同じような感覚はある
・夢は自分の好きなようにある程度コントロールできる
・夢はまったくコントロールできなくて外からふってくるもの
・小人が頭のなかで働いている
・起きているときに夢を見ている

ある程度話がでてきたところで、進行役が
・夢には眠っているときに見る夢と、頭のなかに夢見る理想の二種類がある
と整理してくれます。
 
こども哲学 実践WS(2)「進行役とはどんな役なのか」_e0382901_13133842.jpg
 
そして、さらに、
現実感って何だろうとか、
痛みって何だろうという問いもでてきて、
話はどんどんと深まっていきます。
三者三様の夢の見方があって、話は尽きないけれど、
本題の「進行役ってどんな役なの?」の話に移ります。

Q 進行役ってどんな役?
・前の人が話したことをまとめて場にのせる。
・公平さ(声の大きい人だけが話すようにならないように)
・秩序が保たれて(特に子ども)安心して話せる場にする
・分析するのではなく、問うことをする
・わからないことをスルーしない
・進行役の強度(影のような存在になりたいか、ぐいぐい問いを深めたいか、自分の特性とやりたい事を理解しておく)

Q まったく関係のない話をぶっこんできた人はどうするの?
という問いに、志帆さんは体験談から、子どもの場合は、関係ないように見えても、いつも必ずどこかで話に関係しているという話があって、その話の筋を他の子どもにもわかるように、問いのなかで解きほぐしていくことが重要とも。

Q 進行役としての心構えってあるの?
・心がまえをしないこと(話を流れを事前にイメージすることはあっても、その道筋に落とし込もうとしないこと)
・楽しむこと
・対話が会話(ただのおしゃべり)にならないようにすること

Q 話が煮詰まるときって、そのままにしていていいの?
・進行役が新たな問いを出すことで、気持ちを切り替えられることがある
・参加者に何か意見や提案があるか一人づつに聞いてみる
・気負わない
・「煮詰まってますね」と言ってみる素直さ、正直さがあっていい

まだまだ話したいことはいろいろ出てきますが、時間がきてやむなく終了。

対話が上手くいくか行かないかの8割は参加者で決まる。進行役は2割くらいなので、気負わず楽しんでやるのがいい、という志帆さんの体験談がありましたが、
志帆さんの進行役を見ていると、パワー全開で楽しんでいるのが伝わります。
でも、楽しんでだけいればいいわけでもない。
どんな意見にもオープンに興味をもてるようになるのは、それほど簡単なことではない。
結局のところ、進行役の極意は器を広げる、というところに行きつくような気もします。
でも、慣れの要素もとても大きい。
進行役の体験を重ねることで、見えてくることはたくさんある。
そんなこんながいろいろと見えてきた回でした。
 
こども哲学 実践WS(2)「進行役とはどんな役なのか」_e0382901_13134306.jpg
 
夢はすぐに忘れてしまう!だから忘れないうちに書き留めておかないと。
という話も対話のなかで出てきましたが、
てつがく対話の場も、夢のような場所だなと思ったりもします。

人の話を聴くなかで、
自分のなかに眠っているいろいろな気持ちや考えが湧き上がってきて、
言葉となって、発話する自分が、眠っていた自分の気持ちに耳を傾ける。
夢見る共同体としてのてつがく対話は、
問いを深めることだけが重要ではないのかもしれません。
その場でしか語られない物語。
それを忘れないように書き留める夢日記のようなものが、
このメモの役割かなと、改めて思いました。

さて、次回は7月17日(火)です。
テーマは「探究の共同体」の作り方。
みなさまのご参加、お待ちしております!
(※参加される際には、メールでのご予約をお願いいたします。)

(ミナタニ)

by inutetsu | 2018-06-13 13:18 | こども哲学 実践WS