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犬山×こども×大人×てつがく×対話


by 犬てつ

哲学対話を通して創る未来の運動会 オンライン哲学対話#3 開催しました

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8月23日(日)「てつがく対話を通して創る未来の運動会プロジェクト」、オンライン第三回目が開催されました。
今回は初参加の方もたくさんいた他、山田たくろう犬山市長さんも「たくちゃん」でご参加くださいました。
 
はじめは進行役の志帆さんが昨日食べたおやつをあてる質問ゲームから。
Yes Noだけの答えに対して、柔らかい? 丸い? 和菓子? 甘い? 手のひらサイズ? などなどの問いが出されるものの一巡では当てることができません。
サイズも人によって違ったり、答える方も問う方も共通の土台を見つけるのに頭をひねりました。 

そして、未来の運動会プロジェクトについての説明(=考えたことを「社会実装」させるプロジェクト)のあとに、「運動会って何だろう」のテーマでの対話スタートです。  

最初に出てきたのが、「運動会とは身体を動かすための行事」という話。 
Q 身体ってどこのこと?
- 足や手や全部。 

Q じゃあズームの画面にうつっている身体はどう?
- 身体は一つだけだから、それは本当の身体じゃない。本当の身体と偽物の身体がある。偽物の身体は動かしても力はつかない。
- でも、偽物の身体を使って脳を動かすことはあるかも。
- 脳も身体だから、頭だけ使っていても運動になる?
- 身体を動かすときには脳も使っているから、いつも両方使ってる。
- 運動会の練習のときにふざけていると怒られるから、叱られることで心も関係している。

Q 心は身体だと思う?
- 心は身体ではない。けど、身体のなかにある?
- 脳と心は同じようなもの?

という話があって、運動会はもっとチーム戦になって、身体を使うのが苦手な人も脳を使って輝ける場面があればいいという案も出てきました。

そこに運動会はそもそも「遠足」の意味で使われていたという話もあがり、昔は地域の運動会はお祭りのようなもので、縁日みたいに出店も出ていたという話も。

- なんで今は順位が重要になっているのか?
- そもそも一位はなんでとりたいのか?
- 一位をとっても命には関わらないのに順位をつける意味があるのか?
- 一位とは何なのか?

という問いが次々とあがり、運動会はそもそも何のためにしているのか?という疑問へとつながります。

- 身体を動かすための行事なんだったら、体育と同じこと。そしたらわざわざ家族や人を呼んで運動会をする必要はない。
- 授業参観の延長にすぎないかも。

という話をしているときに、一人のこどもがこう宣言しました。
「今のまんまじゃ全然、未来の体育じゃない!」

Q 「未来」ってどういうもの?
- 未来は誰にもわからないからわからない。でも、未来の運動会は今のままじゃなくて、「未来っぽい」ものである必要がある。

そこにこんな視点も追加されます。

- でも、未来はわからないわけではなくて、たとえば1秒先の未来のことはわかるかも。ティッシュをとろうと思って手を伸ばしてとったとすると、それは未来のことでもわかったことにならない?

この話をきっかけに、「未来」ってどこからなのか? 何なのかがわからなくなってきて、次々と疑問や意見がでてきます。

- 予測どおりのことが起こると未来がわかったことになる?
- 未来ってどこからが未来なんだろう?
- 計画されたスケジュールは未来なの?
- でも、計画も変更されることがあるし、ティッシュをつかもうとしても、誰かに邪魔されてとれなくなることもあるから、やっぱり未来はわからない。
- 未来はSFのパラレルワールドみたいにして、たくさんあるんじゃないの? 
- 今日の自分が明日の自分をつくる。
- 未来は自分たちでつくるもの、決めるもの!

運動会の身体論からはじまって、未来についての時間論にまで広がるような、「未来の運動会」をこれから考えていくにあたっての、重要なポイントが続出するような対話になりました。

・体育と運動会の違い
・競争することの意味
・参加する側と観客の側の違い
・未来って何なのか
などなど。

次回も引き続き考えていきたいと思います。

コロナの影響で急遽オンライン開催に切り替えた2020年度「犬てつ・てつがく対話を通して創る未来の運動会」プロジェクトですが、9月からは対面での開催に変わります。

ただ今チラシを制作中。
このチラシの案内文には「未来は創れる!」という言葉がすでに刻まれているのですが、与えられたものとしての運動会について話していたこどもたちの口から、この言葉が生み出されていく過程を共有できたのは今回の大きな収穫でした。

詳細についてはまたご案内しますのでお楽しみに!

ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました。

犬てつ ミナタニ


by inutetsu | 2020-08-25 09:57 | 哲学対話を通して創る「未来の運動会」