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犬山×こども×大人×てつがく×対話


by 犬てつ

テーマ「お金」:宝くじはやるべきかどうか (2023年1月9日)

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2023年最初の犬てつは、いつもは隔月にオンラインで行っている進行役・志帆さんとの、約半年ぶりの対面での対話でした。
お年玉ももらったことだろうしと、テーマは「お金」。
犬てつでこのテーマで対話をするのは3回目ですが、同じテーマでも時期や参加者によってまったく違う展開になるのはみんなもよくわかってます。

お金のテーマで何か考えたいことあるかな?の問いかけに、
「宝くじはやるべきかどうか」という問いがでてきました。
みんなもそれでいいという話になって、対話がスタートします。

宝くじに対比されるものとして出てきたのが、
・パチンコ
・博打
・株
・ゲームの課金
どうやら投資した分の元がとれるかどうかが重要ポイントらしいです。
そして、技と知識が必要そうに思う株と比べて、宝くじは天からおりてくるといった、自分でどうこうできる感じがあまりない。億単位といった想像できない高額さも、そうした感覚を強めているかも。

次いで、
・サッカースクラッチ
・ガリガリくんの当たりくじ
との対比が出てきて、くじには外れても楽しい要素があったり、「夢」を買うんだという話もでてきます。ガリガリくんはアイスが食べたくて買うので、くじのために買うんじゃないとか、アイスが欲しいなら当たりくじに期待するより、アイスを買った方が安上がりになるとか現実的な判断も。

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ほとんど当たらないものにお金をかけるのはもったいないという話もでてきて、どのくらいなら賭け事にお金も出してもいい?という問いに半分ならいいと答えたこどもがいました。

Q どうして半分ならいいの?
-お金は大事だから。

Q どうしてお金は大事なの?
-生活に使うから。
-いつでももらえるわけじゃないから。

Q お金がないとどうなるの?
-借金や罰金がなくなるかも?
-お金に代わるものがでてくる?昔はお米を年貢で収めてた。

そこにこんな話もでてきます。
-お金で働くのはロボットみたい。

Q やりたくない勉強を5万円もらったらやれる?
大半のこどもは「やりたくないー」と答えます。

Q だったら100万だったら?
これには、考えはじめるこどもが続出。

Q なんで100万だったらやってもいいと思えるの?
-そんなお金もったことないからもってみたい。

たくさんお金があるということが、何か良さそうなことに思える感覚はいつぐらいからできてくるんでしょう。

Q 前に犬てつで「お金」のテーマで話たときは、お金がなくても苗があれば生きていけるって話がでたけど、今回はそういう話にならないね。
-小さい頃は苗を植える土地にもお金がかかることを知らなかった。知識がいろいろなかったからそうやって生きていけると思ってた。

5年の成長?かどうかはわかりませんが、知識が増えたことが感じられる答えっぷりです。
金は権力の象徴だとか、テレビドラマで饅頭の下に金を隠して賄賂を渡すシーンをもとに、金で権力を買うことできるとか、権力があれば金が入るとかいう話しにも発展します。

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そんななか、お金がない方が人は協力しあって仲良くなれるんじゃないか、お金はしっかりとした使いかたをすると幸せになる。という話をずっとしてくれているこどもがいました。

Q しっかりとした使い方ってどういうものだろう?

という問いに、お小遣いをwants(欲)とneeds(必要性)に分けて考えているという話を出してくれたこどもがいて、なるほどーと納得する場面も出てきましたが、じゃあ、饅頭の下の賄賂のお金はwantsとneedsのどちらにも当てはまるんじゃないかという話も出てきて、なんだかぐるぐると考えが回ってきます。
権力が先か、お金が先か、お金が先か、人が先か....

お金=幸せか?の問いに、言葉を入念に吟味しながら、お金があることが幸せというより、「金がないと幸せじゃないと思える社会」が存在していると思うという話を出してくれるこどももいました。

あれ?宝くじの話からなんだかお金と幸せの話になっている?
でも、どっちもすごく関連しあっているような気がするね。
と、久しぶりの対面での志帆さんとの対話に、ゆっくり、じっくり、まったりとみんなで対話を楽しみながら、あっという間に時間が過ぎていきました。

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それにしても、最近はこれまで恥ずかしがってほとんど対話に参加していなかった小学2年、4年のこどもたちがめきめき、うきうきと、対話をリードしてきています。思えば犬てつをはじめたときから参加している、今では中学1、2年のこどもたちも、犬てつをはじめ2年目の4、5年生になった頃の対話の変化の具合には目覚ましいものがありました。対話スイッチが入る頃合いには、何か共通したものがあるのかもしれません。

じっくりと時間をかけて対話の場を耕していくことで、いろいろな変化が見えてきます。
哲学対話は話さなくても対話に参加しているという安心感があるのと同様に、犬てつもその場に来るだけが参加しているということではなく、その場にすらいなくても、そこに思いを馳せ、そういう場があると思えることにも何か意味があるのかなと思っています。
でも、気になる方、ぜひ参加してみてくださいね。

今年度の犬てつはあと3回です。

1月15日(日)10-12時 コミュニケーションゲームから演劇体験へ
場所:野外活動センター
講師:加藤 昇さん(名古屋経済大学 人間生活科学部教育保育学科・特任教授)
https://www.facebook.com/events/526425988970692

2月5日(日)10-12時 オンライン犬てつ
進行役:池田崇さん(こてつ-子どものための哲学対話) 

3月21日(火)10時-14時 焼き焼き会
場所:犬山・野外活動センター

みなさまのご参加お待ちしております。

今回ご参加のみなさま、進行役の志帆さん、参加できなかったみなさん、ありがとうございました!

犬てつ ミナタニ


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by inutetsu | 2023-01-09 00:20 | 子どもと大人のてつがく対話